一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめない、といった精神症状と、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。それを背景に脳がうまく働かなくなっている状態で物の見方や考え方が否定的になります。そのため、自分がダメな人間だと感じてしまうこともあります。重症になると「死んでしまいたい程の辛い気持ち」が現れることもあります。また、周囲の人が「いつもと違う」と感じたら、本人はうつ状態で苦しんでいるかもしれません。
そして日本では、100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験していて、また男性より女性の方が多いです。妊娠や出産、更年期と関連の深いうつ状態やうつ病などに注意が必要です。
うつ病の治療を考える前に、まず、心身の休養がしっかり取れるように環境を整えることが大切です。職場や学校から離れ自宅で過ごす、場合によっては、入院環境へ身を委ねるなどで大きく症状が軽減することもあります。そうすることでその後の再発予防にもつながります。また、散歩など軽い有酸素運動(運動療法)が病状を軽減させることも伝えられています。
うつ病の治療法としては、薬物療法、精神療法の他、専門的治療法として高照度光療法、修正型電気けいれん療法、径頭蓋磁気刺激法などがあります。
主治医と何でも相談できる関係を持つことは、うつ病治療の第一歩です。主治医以外の意見を聞くこと(セカンドオピニオン)も考えるなどで、複数の専門家の意見を聞くことが納得のいく医療を受ける手立てにもなります。
知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)より